撮影レポ

【撮影レポ】乳がん手術前写真撮影  in 大阪・関西

今回お客様よりお問合せがあり、初めて「乳がん手術前」の撮影をさせて頂きました。

私自身、初めての経験で「乳がん手術」について初めて知ることもあったので、リアルな想いをそのままレポとして残します。

乳がん手術前の撮影をしたいけど勇気が出ない方や

私のように初めて「乳がん手術前の撮影」のご依頼を頂いたカメラマンさんや、チャレンジする前に恐怖で逃げてしまっている方に、何か参考になればと想い残します。

目次

初めての「乳がん手術前撮影」

正直、こんな依頼が自分にやってこようとは全く思っていませんでした。

「乳がん手術前の撮影」

私はいつも「やりたいことをやる女性を応援するカメラマン」として
副業や起業女性を中心に撮影しています。

『ヌード撮影はされてますか?』

最初、お問合せを頂いたとき正直なところ断るつもりでいました。
今までもこのようなお問合せを頂いたことはあるものの、撮りたいと思えなくて。

ただ今回は、事情が違いました。
『乳がんの全摘手術をする。この日しか時間がない。』

 

乳がん?全摘手術?!
そんな大事な撮影は自分にはできない。

ご依頼を頂き、最初に感じたのは「不安」でした。

手術前の最後の大事なお胸の撮影を撮影経験がない私が撮って失敗したら、、、この方の大事な写真を満足させられなかったら、、、絶対失敗出来ない。。。

そう思い、乳がん手術前の撮影されたことがあるカメラマンにお声をかけさせて頂きましたが予定が合いませんでした。

どうしよう・・・。
そう思っていたとき、ふと言葉が頭をよぎりました。

 

‘今起きていることが全て最善だとしたら?’

 

もしこの撮影が私に来た意味が、何かメッセージがあるのでは?

そう考え直したとき、
自分目線の恐怖やエゴは消え、自分がお客様にできることは何か?

 

を考えていました。そして撮影を引き受けること決めました。

どこも予約でいっぱいのスタジオ探し

そこからすぐ室内でお客様が安心しながら、撮影できる場所を探しました。

他のお客様のロケハンもあり毎日レンタルルームやスタジオ検索をしていた私は、片っ端から思いあたる場所を探しましたが、どこも予約でいっぱいでした。

さすがに数日後に予約できるところは無いか。そう諦めかけたとき、ふと検索すると一番上に見たことないスタジオが表示されました。そのサイトを見てみると

空いてるーーー‼️

すぐスタジオとお客様に確認し、スタジオ確保できました。毎日大阪のスタジオをチェックしていた私。全て把握していたつもりでしたが、ここからが奇跡の始まりでした。

乳がんの手術前の撮影依頼が、直前になる理由

場所確保の次に、私がしたのは「どんな写真を撮るか?」のイメージを探す事でした。

乳がん手術前の撮影をしたことがなく

・どんなアングルで撮ったらよいのか?
・どんな写真を求められているのか?
・どんなイメージ写真があるのか?

全く想像がつかなかったのです。そこで「乳がん手術 撮影」で検索してみると、乳がん手術前の写真撮影をされているスタジオがあることを知りました。

そこに書かれていた、お客様の声。

==================
・自分の体と向き合い写真を撮る事ができた
・乳がんと告知されてから(撮影する)今日が一番笑顔になれた
・気分が前向きになり自信になった。
==================

お客様にとって手術前の撮影がお客様の励みや勇気になることを初めて知りました。その中には「胸の手術を2日後に控え〜」「全摘出を3日後に控え〜」と言う声がいくつも書かれてあり、そこで気づきました。

「写真を撮る」余裕なんてないのだと。

乳がんと告知され手術すると決めた後も女性として生まれながら、

・自分の胸がなくなってしまう恐怖。
・術後の自分のカラダとどう向き合っていくのか想像できない未知の世界。
・どう自分は生きていくのか。

そんな不安と闘うことに必死で「今のカラダを残したい」その想いがあったとしても

・裸を誰かに見られる恥ずかしさ
・写真を撮って欲しいと頼む勇気
・実際に「カメラマンを探す」行動 

など、いくつもの大きな壁が立ちはだかる。

だから「スマホで自分で撮る」そうする方もいらっしゃるそうですが

でも、、、女性として生きてきた今までの自分の証を残したい。

「後で後悔したくない!」と手術直前で決断される。だからカメラマンに依頼するのが遅くなるんだと。

ハッとしました。

「もっと早く言ってくれれば・・・」

何も知らなかった私は最初そう思ったけどそれはカメラマンのエゴでした。

そんな背景を知ってから、こんな恐怖と闘いながら見ず知らずの私に声をかけてくださったなんて・・・本当に「奇跡」でしかない

 

こんなご縁を頂き感謝しかありませんでした。

そしてより一層、自分が出来ることは何なのか?を考え、サイトにある写真サンプルを参考にしながらイメージを固めていきました。

そして乳がん手術前の撮影経験をお持ちのカメラマン北代 未希子さん(ドゥビさん)のブログやアドバイスを頂きながら、お客様に好きな色をお聞きしお花を準備しました。

 

撮影の小道具用としてでもあるけど

・お客様のお気持ちが、少しでもリラックスしたり前向きになれますように
・手術がうまくいきますように
・新しいお身体を迎えられ新たに出発される門出を記念して…など

色んなお気持ちを込めて、撮影日を迎えました。

撮影当日

お会いしたのはとってもチャーミングでかわいい女性の方でした。

オンラインでお話しはしていたもののお会いすると、とっても笑顔が素敵な方!

お話しを伺うと主婦をされながら「やりたいことに向かって、走られている方」でした。

コンテストに出られたり、オーディションに参加されSNSも毎日発信されたり!
とっても明るくてパワフルな方!

 

どうやって私のことを知ってもらったのかをお聞きしたところ「女性カメラマン」で検索したら最初に出てきたとのことでした。

それも本当に「奇跡」で!どうやっても私は上位に出てこないんですが…汗

 

その時は、なぜかそのお客様の検索には最初に私が出てきたとのこと。

スタジオと言いお客様の検索も、時に不思議なことが起こります。そして他のカメラマンには依頼せず、私が断っていたら撮影を諦めていたことをお話しくださいました。

あの時、決断してよかった。

 

自分のちっぽけな「恐怖や不安」を理由に逃げていたら・・・お客様の一生の後悔に繋がっていたかと想像すると自分を恥じるし後悔していた。。。

いや、多分そこまで想像できないかもしれません。「他のカメラマンさんに撮ってもらえたのかな・・・」そう思いながら、いつもと変わらない日常を送っていただけかもしれません。

 

撮影するとき私はいつも、お客様とお仕事のお話しをするんですが、私自身病気やケガで入
院経験もなく、正直なところ病気に対する距離感などがわからなくて。

手術などのお話しをお聞きしてよいのか迷っていると、撮影に至るまでの経緯などお客様からお話ししてくださいました。

 

最初はご自身で「スマホで撮影」されるつもりだったそうですが、ご友人の言葉をきっかけに「撮影」することを決められたのだと。

 

色々手探りだったのですが、お客様から明るく優しく色々お話してくださったことは本当にありがたかったです。

写真撮影は、カメラマンとモデルさんのコミュニケーション・信頼関係でできるものだから。

初対面の人に自分の裸を見せて写真を撮られるって、私が逆の立場だったらカメラマンの私でも、恥ずかしさが勝ってしまう。

だから本当に写真が撮れたのはお客様のお陰なんです。初対面の私を信頼してくださったから撮れた写真なのです。

撮影中は本当に全て美しくて。温かくて包まれる優しい光の中で、これから生きられる強さも感じられるそんな撮影でした。
本当にこんな場に立ち会えたこと。感謝しかありません。
貴重な撮影をご依頼くださり本当にありがとうございました。

最後に

今回の撮影のお写真を掲載して良いと言ってくださったこと。お客様の優しい寛容なお気持ちに本当に言葉がありません。

そして今回色々お話しを伺い、乳がん手術前の撮影をしたいけど勇気が出ない方や、初めて乳がんの撮影依頼がきたカメラマンさんに伝わるように届けばと想いご紹介させて頂きました。

私の周りにも女性カメラマンはたくさんいますが、撮影メニューに出していなくても同じ女性のカメラマンならきっと引き受けてくださると思います。

 

乳がんも今は12人に1人がなると言われており、年々増えています。私の周りも乳がんになった友人がいたり、女性の病気にかかる方もいらっしゃいます。

カメラマンの私としてはこの記事にも書いた通り、最初は「不安」はありましたが同じ女性として「何かチカラになりたい」と思う気持ちは同じです。

だからどうか、諦めないでください。

「大事な体を、写真で残したい」
もし少しでもそう思ったのであれば、そのお気持ちをどうか叶えてあげてください。

 

私もこのお客様と出会い、撮影メニューにも「乳がん前撮影」を追加致しました。

 

少しでも「お問い合わせ」しやすいように。入口があるのとないのとでは「依頼をして良いか?」の壁が違います。

 

せっかく勇気を出して私に声をかけて頂いたそのお客様に想いに寄り添いたい。

私が大切にしていること。それは

・やりたいことをやる。
・自分の人生を生きる。

心の中に『やりたい』と芽生えたその小さな声に、私はただ寄り添いたい。

諦めて欲しくない、その小さな声を。
叶えてあげたい。その想いに。

勇気を出して飛び込んでくださった方の想いを大切に受け止めながら、一緒に歩んでいく。そんなフォトグラファーでありたいと思っています。

長文になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!

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